(33) 神戸のサンタクロース

今日は「神戸のサンタクロース」森本佳代子さんと一緒でした。

震災から10年。2歳のジュニアと九死に一生を得てから、ずっとボランティアを続けています。

仕事用の10屯トラックを常駐させるほか、お金も4千万円以上を投じました。数台動かしていた運送店も閉め、必要なヘリの免許まで取りました。過労から大切な視力に異常を来すまで体も使いました。

金も体力もない和尚は、時々マネージャー役だけ勤めます。(笑)

話を聞いているといつも思うのですが、人には定められた運命が有るというか、人一人育てるには、その家、その家族を中心に、数え切れない要素、縁が集まった結果だと言うことが判ります。

飛び抜けた豪農の家に、牛馬以下の道具として扱われた農家の嫁が母で、必要のない女の子としてそだてられ、女中が何人もいる家の中に居りながら、子供の頃から自分のことは一切自分でしなければならない暮らしを強いられて来た人は、本当に逞しいとしか言いようのないリアリストです。

5歳の子供の手に洗濯ダコがあり、大家族が食べるご飯を時間に合わせて薪で炊いていたと言うのです。もっとも、大きいばかり、火の気のない屋敷では、ヘッツイの傍に居る方が良かったと言います。

数十町歩という、信じられない面積を耕作している豪農も、その内実は、祖父を看取り、祖母を看取って行くなど、家を出て一軒を自力で構えているこの人が裏から支えて居ることが窺えます。

それが、見た目はとてもチャーミング、小柄で可愛い人なんです。

10年前など、子供が居るとは信じられない程でしたが、今は女一人の子育て話や、これも一切を無料で開いている、問題を抱える子供達の塾の話など、抱えて居る問題のスケールが違うのですが、それを苦にしている様子もなく懸命に話してくれます。

女性の話は詰まらないので余り聞かない和尚ですが、この人の話だけは真剣に聞くのです。一切がリアリズムのお話ばかりですが、人一人、女一人生きて行く周りに起こっている、人と人との繋がりと輪を感じながら。

人間って大したものですね。

 

 

 

表紙に