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Gポケットの数
先日ある団体の会合で、少ししゃべれと言う機会を頂いたので、はいはいと安請け合い、喋り始めたのですが、世の中にお喋りほどはた迷惑な物が無いという通り、つい、言わぬもがなの事を言ってしまったという話。
たまたま、私の友人が目出度く会社を定年となり、挨拶に見えたばかりで、気になっていた事に話しが及び、ついついそちらの方に話しが行ってしまったのです。
よく働き、よく遊び、会社を良い程儲けさせ、良いほど交際費を使わせて貰い、優秀な営業マンのならいで、早朝から深夜まで接待と本業以外の気働きでスポンサーのご機嫌を窺い、それはそれは並の会社員とは頭一つ抜けた仕事人振りだったのです。
会社の事情から役員に成れなかったので、いよいよ家でカミさんと暮らすと言うから、今までの働きを知っているもので、ついつい、「勿体ないなあ・・・」と言ってしまった。
今まで気に掛けたことも無かった、延び放題の庭の草を、丹念に一本一本引くのが意外なことに楽しい、それで、縁側でメダカを飼ってみたら、コレがまた楽しい・・・と言うのです。酒池肉林の歓楽からメダカに大出世したわけですね。
「学生時代からゴルフのシングルを保って、3日に一度はコースを廻り、その頃から、”箒”と言われるほど沢山の”綺麗な”オトモダチ”もにこまめに面倒を見て、まあ一生、頑張り通しましたね。ご苦労さんでした。」
そこでよしておけば良いのに、「しかし、考えて見たら棒を持って穴の廻りをウロウロしただけの人生ですか。」
余計な一言ってコレですね。こちらは軽い冗談のつもりでも。やっぱり、これはない。
さて、その席でのお話は、「男の服には上着に6カ所、ズボンにやはり6箇所程、ワイシャツに一つ、前のファッスナーを開けるともう一つ袋がある・・・人生の値打ちを計る一つの目安に、そのポケットに何が幾つ入っているかという事があります・・・」
一つは仕事。二つ目は家族を支える主人の務め。次は地域の住人としての務め、三つ目は趣味。四つ目は各種の団体のお世話、五つ目は信仰、六つ目は・・コレの多い人ほど、話題も豊富で、人に頼られ、頼み事もされ、つまり人間の幅とという訳です。
勿論、仕事々々で廻りの役に立つというのは、一番大切で、大抵の人はそこで神経をすり減らす訳です。最近では”社畜”と言うそうですが、昔から滅私奉公と言う言葉の通りですが、これは頑張れば頑張るほど地位や収入となって報われます。ですから、コレはお給料を貰った時点で一応チャラとなります。
大切なのはそこからで、その収入をどう使ったか、何処に振り向けるかです。せっかく生きて行くに余りある物が手に入り、鍛えに鍛えた体がそのままで、まだまだこれから何でも出来るのですから、できたらメダカでなくて、今度は収入に結びつかない、自分の意志で出来る仕事をして欲しいなあと言いたかったのです。
ポケットから取り出せるものが、自分の物質的な欲に繋がるものばかりでは値打ちもそこまでです。無償の行為、他人を利する仕事が幾つあるかという事が、人生の本当の味わい、人生の値打と言う訳です。
つまり、稼ぎに稼いだお金で、棒をもって穴の廻りをウロウロしただけで終わるのですか?と言ったのですから、内心怒ったでしょうね・・・その場では笑って過ごしてくれましたが・・・殴られなくて良かった。
さて、女性の場合は違うのですね、上から下まで服には一切ポケットが無い。
ポケットが付いた服は仕事着で、一段格が低い。上品なご婦人は仕事などしないと言う訳です。その代わり、一つだけ”オフクロさん”を隠していて、怪しからぬ事に、そのポケットに、男の、収入も地位も財産も、それこそ血も涙も、ひとまとめにしてすっぽりと頭から飲み込んでしまう。放り込むだけ。
ウッカリすると、トドのつまりに、「もっと入れて!」などと、怪しからぬ事を叫んだりする。
・・・こういうことを言わなければ、坊主としてチト出世出来るんですがね。女性の皆さん、どうかお許しを・・・ またまた懺悔
2003.10 |